2005-01-01から1年間の記事一覧

またもや?中国「ドタキャン」

日中総合政策対話に臨もうとした日本の谷内正太郎外務次官が、中国の戴秉国(タイピンクオ)筆頭外務次官に待ちぼうけを食らった。場所は北京。先日、呉儀副首相が小泉首相との会談をドタキャンした一幕を思い起こさせる。呉副首相が後に明かしたように、ド…

キエフで考える(2)

キエフで考える(2)日本−ウクライナのサッカーW杯代表チーム同士による親善試合を観戦した。サッカーは、否応なく愛国心が高まるスポーツだが、ここウクライナも例外ではない。偶然、ウクライナ応援団に混じって観戦することになったのだが、キエフ市民ら…

キエフで考える(1)

スラヴ文化の初の結晶地で、キエフ・ルーシの中心地として栄えたウクライナの古都・キエフを訪れている。昨年のオレンジ・レボルーションで一躍有名になったこの国は、実は、ソ連時代のプラスの遺産の一つとして、予想外に強固なインフラを維持している。独…

ロンドンは政治の街

ロンドンを訪れる人は、週末に一度、スピーカーズ・コーナーと呼ばれる広場の一画を覗いてみてほしい。そこでは、政治的な主張を持つ者たちが、旗を掲げた仲間らとともに大声で演説を行い、聴衆たちは各所でスピーカーを取り巻いて、話に耳を傾けている姿を…

パリで、トラックに・・・

3年前の春、滞在先のロンドンから休みを利用し、パリに日本から母を呼び寄せて一緒に旅行をした。母にとっては、初めての「憧れのパリ」。母の長年の夢がかなうのに助力できたことで、私はなんとなく高らかな気分になり、足取りも軽く街中を案内していた。ち…

ドイツと組んだ、昔と今

国連の安保理改革は、第一ラウンドを終えた。日本はドイツ・インド・ブラジルと組んで常任理事国入りを狙ったが、アメリカ・中国・韓国などの強硬な反対に遭って議案すら提出できなかった。まるで、前大戦の様相だ。それはそれでよい。前大戦こそが、今の国…

憲法について一考

日本政治研究で知られるUCSDのエリス・クラウス教授(政治学)は、衆議院選挙期間中、東京に滞在。自民党の圧勝により、郵政民営化の次に浮上する政治課題として、第9条を含んだ憲法改正論議を指摘し、"If you're looking for the next issue, it will be ve…

もういちど、ホリエモンについて

ホリエモンこと堀江氏は、結局、政治をやりたかったのだ。先日触れた「なぜ選挙に出たのか」との問いに、本人の口から明快な答えがあった。「総理大臣になりたいから。」漫画では、このようなストーリーがある。ヒーローが現れ、日本政治を一新するのだ。一…

ホリエモンの政治参入は、自然な流れ??

今や超有名人となったライブドア社長の堀江貴文氏が、郵政民営化賛成を掲げて総選挙に立候補した。メディアが本人に対し、揃いもそろって「なぜ貴方が選挙に?」などと問いただす場面を、何度となくテレビで見たが、全く失礼な話ではないか。この国は、被選…

「中国はなぜ『反日』になったか」書評2

前回の続き。読了。江沢民氏の愚行がひときわ目立って描かれ、納得。江氏を継いだ胡錦濤氏は、親日的だった胡耀邦氏の直系の「善玉」として描かれている。清水美和氏のこうした洞察が正しいかどうか、江氏の影響力が完全に取り除かれた後の胡体制を見るまで…

「中国はなぜ『反日』になったか」書評1

清水美和著「中国はなぜ『反日』になったか」清水氏は中日・東京新聞の外報記者(男性)。裏表紙に顔写真が載っているが、想像していたいかつい感じの人ではなく、クールで好印象。余談だが、中日新聞は、社名の「中日」が中国当局から好かれ、中国取材では…

ウエルカム!中国人観光客

先日テレビで、パンダの撮影のため中国奥地(西安の南西)の山岳部を紀行する日本人カメラマンの番組を見た。かわいいパンダの撮影である、そこのけそこのけ、とは言わなかったが、戦争中の中国侵攻だって案外と他愛のないもの(資源とかオンナとか)を追っ…

書評・番外編−「地域エゴ」について

「半島を出よ」を読んで良かったと思うこともあったので、番外編として付け加えたい。それは、東京と地方都市、100万都市と周辺都市、に代表されるような地域間対立の構図が、くっきりと描かれていたことだ。ストーリーの中で、福岡市民は東京政府の棄民政策…

「半島を出よ」書評2

前回の続き。読了。結末は「楽観的すぎる」か? しかし、あとがきを読んで、村上氏が当初はストーリーものとして構想しながら、韓国を訪れて脱北者の取材をするなど、かなり足を使い、思い入れをもって書き下ろしたことを知った。後々のスクリーン化を意識し…

「半島を出よ」書評1

村上龍著「半島を出よ」社会現象ともなったベストセラー小説。重厚な設定で読み手をぐいぐい引き込むが、筆致が淡々としたまま詳細な描写で案外あっさりと見せ場に入っていく手法は、高村薫氏の影響だろうか。村上氏の実力は、十分、見せ付けるかのように発…

起こるか、想定外の革命

今回の選挙は、小泉首相による毛沢東張りの革命劇である、と先日論じたが、案外ふたを開けてみると、シャッフルしたつもりが自分がシャッフルされていた、という本当の革命劇にもなってしまいかねない。というのも、話題をさらった「刺客」のメッキが早くも…

アスベスト放置は、誰のせい?

本当ならもっと法律論的に論じるべきだろうが、昨今のアスベスト騒ぎを見るにつけ、では一体、マスコミをはじめとして今、批判する側に回っている人たちが、これまで何をしてきたのだろうか、と問うてみたい。アスベストの危険性をめぐる議論は、少なくとも2…

目的のために手段を選ばぬ中国

愛知万博を見に来た中国の呉儀副首相が、小泉首相の靖国参拝をめぐる発言に反発してドタキャン帰国をしたのは、3ヵ月前のこと。外交ルールに反するやり方だったが、中国はさすがに長期の外交戦略に長けていることをうかがわせる。恥もかき捨ての強硬姿勢が功…

小泉純一郎と毛沢東

小泉首相の芸術的とも言える政治策謀・人心掌握術には、いやはや驚嘆させられる。今や、郵政民営化を国民レベルの投票行動に移すことに成功。党内政敵の粛清においては、都道府県の党支部レベルにまで小泉改革の踏み絵を迫っている。この試みが成功裏に終わ…

グローバルになった日本の農業問題

小泉首相による昨日の衆議院解散劇で、内閣で解散を決めた折に異を唱えて罷免された大臣が、ただ一人、農林水産大臣だった、という点に着目して、日本の農政について最近思うところを述べたい。農業・畜産業は長いこと自民党の大票田で、保護主義的な政策が…

森氏の「復権」に貢献したマスコミと大衆

5年前、日本国首相の地位にあった森喜朗氏が「ニッポンは、天皇を中心とした神の国なんだぞ」と言って物議を醸したころ、私はマスコミの内部で働いていた。コワモテの報道デスクたちは全共闘世代だったのだろう、森氏の発言は不適切だ、軍靴の音が聞こえてく…