2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ウエルカム!中国人観光客

先日テレビで、パンダの撮影のため中国奥地(西安の南西)の山岳部を紀行する日本人カメラマンの番組を見た。かわいいパンダの撮影である、そこのけそこのけ、とは言わなかったが、戦争中の中国侵攻だって案外と他愛のないもの(資源とかオンナとか)を追っ…

書評・番外編−「地域エゴ」について

「半島を出よ」を読んで良かったと思うこともあったので、番外編として付け加えたい。それは、東京と地方都市、100万都市と周辺都市、に代表されるような地域間対立の構図が、くっきりと描かれていたことだ。ストーリーの中で、福岡市民は東京政府の棄民政策…

「半島を出よ」書評2

前回の続き。読了。結末は「楽観的すぎる」か? しかし、あとがきを読んで、村上氏が当初はストーリーものとして構想しながら、韓国を訪れて脱北者の取材をするなど、かなり足を使い、思い入れをもって書き下ろしたことを知った。後々のスクリーン化を意識し…

「半島を出よ」書評1

村上龍著「半島を出よ」社会現象ともなったベストセラー小説。重厚な設定で読み手をぐいぐい引き込むが、筆致が淡々としたまま詳細な描写で案外あっさりと見せ場に入っていく手法は、高村薫氏の影響だろうか。村上氏の実力は、十分、見せ付けるかのように発…

起こるか、想定外の革命

今回の選挙は、小泉首相による毛沢東張りの革命劇である、と先日論じたが、案外ふたを開けてみると、シャッフルしたつもりが自分がシャッフルされていた、という本当の革命劇にもなってしまいかねない。というのも、話題をさらった「刺客」のメッキが早くも…

アスベスト放置は、誰のせい?

本当ならもっと法律論的に論じるべきだろうが、昨今のアスベスト騒ぎを見るにつけ、では一体、マスコミをはじめとして今、批判する側に回っている人たちが、これまで何をしてきたのだろうか、と問うてみたい。アスベストの危険性をめぐる議論は、少なくとも2…

目的のために手段を選ばぬ中国

愛知万博を見に来た中国の呉儀副首相が、小泉首相の靖国参拝をめぐる発言に反発してドタキャン帰国をしたのは、3ヵ月前のこと。外交ルールに反するやり方だったが、中国はさすがに長期の外交戦略に長けていることをうかがわせる。恥もかき捨ての強硬姿勢が功…

小泉純一郎と毛沢東

小泉首相の芸術的とも言える政治策謀・人心掌握術には、いやはや驚嘆させられる。今や、郵政民営化を国民レベルの投票行動に移すことに成功。党内政敵の粛清においては、都道府県の党支部レベルにまで小泉改革の踏み絵を迫っている。この試みが成功裏に終わ…

グローバルになった日本の農業問題

小泉首相による昨日の衆議院解散劇で、内閣で解散を決めた折に異を唱えて罷免された大臣が、ただ一人、農林水産大臣だった、という点に着目して、日本の農政について最近思うところを述べたい。農業・畜産業は長いこと自民党の大票田で、保護主義的な政策が…

森氏の「復権」に貢献したマスコミと大衆

5年前、日本国首相の地位にあった森喜朗氏が「ニッポンは、天皇を中心とした神の国なんだぞ」と言って物議を醸したころ、私はマスコミの内部で働いていた。コワモテの報道デスクたちは全共闘世代だったのだろう、森氏の発言は不適切だ、軍靴の音が聞こえてく…